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【番外編:イベントレポート】Football Idea VOL1〜ブラジルW杯のココを見ろ〜


 

去る6月3日の夜、筆者が主催した U23世代向けのサッカートークイベント「Football Idea VOL1〜ブラジルW杯のココを見ろ〜」を開催しました。

このイベントは、ブラジルW杯が間近に迫ったこのタイミングで、23歳以下の大学生の方を主な対象に、「サッカーの深い楽しみ方を伝え、1人でも多くのサッカーファンを増やす」ことを目的としたもので、

豪華サッカージャーナリストの面々に協力いただき、大学生に向けて「サッカーの深い楽しみ方」を伝えるべく開催を致しました。

 

今回は「THE SPORTS BUSINESS」の番外編として、イベントのレポートをお届けしたいと思います。

 

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【登壇者】

・財徳 健治 氏

・小林 達彦 氏

・湯浅 健二 氏

・田村 修一 氏

・中山 淳 氏

・飯塚 健司 氏

・加部 究 氏

(以下敬称略)

 

下記は、イベント内で語られたトピックスと、それぞれに対する登壇者の方からのコメントの抜粋です。

 

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Q)イベント開催当日の朝に行われたコスタリカ戦について

 

田村)

良くはなっていると思う。前半のユニットと後半のユニットを変えるやり方も本番で使っても良いかもしれない。ただ、ディフェンスがかなり不安。もしかするとザックもどうしようもないかもしれない…。あのような失点は本番でもあり得そう。

 

湯浅)

後半に遠藤・岡崎が入って良くなった。特に本田と遠藤の縦の関係。ただ本田はもう少し動く必要があるし、本田を使うなら周りにもっと走る選手を使う必要がある。

 

Q)本田圭佑について

 

湯浅)

本田は確かに今の代表メンバーの中で一番キープ力があるので、周りも認めているし、本田にハードワークを要求していないが…。

これはおそらくザックの指導でイタリアのサッカーそのものであると思う。お前は左にいろ、お前は右だ、という様に殆どポジションチェンジが無い。トップ下に本田の家があるような感じ。

 

加部)

自分はトップ下が本田の家だとは思っていないが、2列目の選手としては、自分での打開力が少ないし、創造性という部分でもミランの歴代の10番と比べると乏しい。そう考えると本田は堅実なプレーヤーという評価が正しい。

 

財徳)

確かにタメは作れると思うが、逆に「早く出せよ!」というシーンもある。香川や岡崎からすると、動きにくい所もあるのでは。

 

湯浅)

その面もあるが、ここ1年くらいで周りも変わってきた。本田のプレーの特徴をよく理解して、周囲が本田をより活かせるようになってきている。

さらに、後ろに長谷部と遠藤がいて前に大久保のような年長者がいると本田も人のために動かないといけないと感じ、色々な意味で良いのでは。

 

飯塚)

そもそも大久保を呼ぶとは思っていなかった。なんでこのタイミングで呼んだのだろう?

 

加部)

世論の影響も大きいかもしれない。

 

Q)大久保嘉人について

小林)

少々話はずれるが、大久保のことで話すと、大久保は釜本に次いでようやく出てきた「俺にボールをよこせ」というタイプのFWだという話が最近ある。

 

湯浅)

釜本さんは日本人離れした自己主張の塊。クラマーさんも言っていた。日本人ではないって。

 

田村)

大久保は何でも器用に出来る選手だったので、あまり自ら練習をしなかった。それがフロンターレに行って風間監督と出会って変わったの。だが、大久保をベンチに置いておくことにより、エネルギーが変な方向に向かってしまうことはちょっと警戒をしている…。

 

財徳)

大久保がフロンターレに入って一番変わったのはその部分。それは協会も調べている。ベンチに座ってフラストレーションが溜っても文句を言わなくなった。人間的に成長していると思う。

 

Q)高さを考えるとFWに豊田とマイクを呼ぶ選択肢もあったが…

 

田村)

ザックの頭の中には3-4-3しかり、強いCFを真ん中に置いてやるサッカーもあったと思うが、日本人には向かないと判断した。

 

加部)

それはそう。ウディネーゼやミランとは全然違う。

 

小林)

Jリーグのチームを見ても3バックをやっているところは実質5バックになっている。

 

財徳)

3バックをやるにしても、1対1で守れる強いDFが日本にいない

 

 

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Q)ザックが強調する「インテンシティ」という言葉について

 

田村)

強さと関連したトピックスだと、ザックが強調している「インテンシティ」とはどう解釈すれば良いのだろうか?日本語で訳せる適切な言葉が無い。

 

湯浅)

分かりやすく言うと、「動きの量と質」。守から攻に切り替えるとき、どれだけリスクをとって動けるか、そういう意思の力という面もあると思う。

 

中山)

ゲームに入るテンションだったり、意思の部分だったりを意味しているのは大きいと思う。

 

湯浅)

気合いっていうよりカッコいいしね(笑)

 

田村)

でも意思だけの問題では無いと思う。

 

加部)

目の前の相手を止めたり、ぶつかりにいったり、そういった意味での意思もある。

 

湯浅)

オシムの逸話がある。指導している際に選手から、「自分のマークを放っておいて前に出ていくと、カウンターを受ける危険があるが、どうすれば良いか?」と質問されたとき、オシムはゆっくり喋りながら「それは確かに危険だ。でもその時は戻ってくれば良い」と言った。これは物凄く本質をついている。いかに意思が大事か。あの当時のジェフは、どんな暑さでも必死になって戻ってきた。クロップにしてもそう。意思の力をいかに高められるか、が大切。

 

小林)

最近めっきり聞かなくなったが「根性」という言葉にも通じるかもしれない。

 

中山)

そう考えると松木さんこそ、インテンシティを一番唱えているかも(笑)

 

財徳)

当然このレベルの選手たちは皆強い気持ちを持っている。だが、その意思のレベルをもう一段階上げないと世界では勝てない。

 

湯浅)

物理的なものを3、精神的なものが7、くらいの意味合いかも。

 

小林)

そう考えると「集中力」も大切になる。無我夢中で試合にのめり込んでいると、気合いや根性もついてくる。良い試合をやっていると自然に乗ってくる。

 

加部)

根性や集中力を「勝者のメンタリティー」とスペインでは言っている。バルセロナの選手たちは小さい頃から勝ち続けてきた。だから自分達は「勝たないといけない」と思っている。ドイツもそう。それが、根性や集中力に通ずるものもあると思う。

 

財徳)

そう考えると、日本にはまだ「勝者のメンタリティー」は無い。だから、ザックはあえて強調しているのかも。

 

 

Q)個とチームワークの両立について

 

湯浅)

逆に日本人離れしたメンタリティーを持った人が集まるとどうなるのか。

当時の読売クラブでは、ラモスや与那城ジョージなど強烈な個性が集まっていた。そういう強烈な個性を持った人たちが、限界で妥協しあっていた。お互いが全力を出し切った上で、みんなが納得しあっていた。

 

田村)

フランスのメンタルの強さはまた違う。フランスは個人主義でエゴイスティックだが、一つに纏まったときにプラスαの力がどれだけ出るかが大事かということを知っている。だから代表チームを作るときに、チームワークをとても大事にする。日本人が考えている以上に。

 

湯浅)

サッカーという欧米の文化は、日本の文化とかなりかけ離れているのは事実。

 

加部)

確かに個人の力のトータルでは日本はGLの中で一番下だと思う。でもチームワークがあるのは日本の強みだと思っている。

 

飯塚)

そこは協会も分かっている。分かった上で日本が世界に勝つためには組織だと言っている。

 

小林)

確かに個は大事だが、サッカーはチーム競技。そこが大事。ちょっと話は変わるが中国は個人スポーツには強いが団体スポーツであまり勝てない。あれだけ人口がいれば個人スポーツで勝てる人間は生まれるが、団体スポーツでは個性が強くて纏まらない。

 

 

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Q)そのような中で日本はどう戦っていくか

 

田村)

初戦のコートジボワール戦から話していくと、コートジボワールは日本以上に不安を抱えている。一番のポイントは「ドログバとアカデミー選手の関係」

コートジボワールではアビジャンというチームにおいて、アフリカ大陸で初めて組織的に育成活動を行った。トゥーレ兄弟やゾコラ、ジェルビーニョなどが代表的な輩出選手。彼らは組織的なサッカーを教わって、ユース時代から当時のアフリカ最強チームより強かった。17歳の子供たちがトップチームに負けなかった。

 

湯浅)

そのような組織的なサッカーをやる選手たちと、ドログバのような「俺が俺が」タイプの選手はかみ合うの?

 

田村)

そこが問題。ドログバはずっとキャプテンをやってきてチームの中心だった。アカデミーの選手たちがやりたいサッカーが出来ていないし、彼らは日常的に口を聞かないくらいの関係。ただ、ドログバの力が衰えてきたことでその問題は徐々に解決されつつある。おそらくドログバはスタメンではなく、後半から出てくる。

日本にとってポイントになるのは、ヤヤ・トゥーレが「日本戦が俺たちの決勝戦だ」と言っている中で、日本の選手たちが、どこまで初戦の重要度を認識しているかが不安。

 

 

Q)では、日本はどこまでいける?そしてW杯の優勝はどこに?

 

湯浅)

そんなこと良いんじゃない?(笑)勝負は時の運だから、どっちかって言うと分からない。コートジボワールも本当に強いチームだし。どうなるか分からないことを楽しめば良いんですよ。サッカーは「めくるめく歓喜と奈落の失望」がある。それを楽しめば良いじゃないですか。

 

小林)

予想はよそうよ…。まぁ強いて言えば優勝はブラジルだと思う。民族性や気候を考えると、アメリカ大陸でヨーロッパが勝っていないというデータもあるし、優勝はブラジル。準優勝がアルゼンチン。

 

加部)

優勝は消去法でブラジル。昔は内容も求められていたが、今の固いサッカーでも国内で妥協されてきた。ブラジルの山は確かに厳しいし、どこかに足をすくわれる可能性もあるが、消去法で。

 

財徳)

無責任にどんな試合をするのか見れば良いんですよ。それで十分。

 

田村)

ブラジルがどこでつまずくかを考えている。そうするとイタリアくらい。イタリアはブラジルに勝てる可能性がある。それ以外だと南米勢でアルゼンチンかウルグアイ。スペインは何となく勝てる気がしない。優勝はアルゼンチンということにしておく。

 

飯塚)

ブラジルでしょう。

 

中山)

僕はアルゼンチンだと思う。

 

湯浅)

そしたらドイツだろう。

 

中山)

このように大会が始まる前に、どこが勝つだろうとか、どんなサッカーするのだろうと予想するのもワールドカップの楽しみだと思う。日本が負けて、ワールドカップが終わりでは楽しくない。

 

小林)

会場の皆さんに質問したいのだけど、ブラジルが優勝すると思う人?

 

(会場の過半数が挙手)

 

やはり一番多い。じゃあそれ以外だとアルゼンチン?ドイツ?スペイン?

 

(アルゼンチンとドイツに同数ずつ挙手。スペインには上がらず)

 

湯浅)

スペインの凋落はバルセロナの凋落が大きい。特にシャビ。彼は日本における遠藤のような存在だから。

 

 

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以上がイベント内で語られたことの抜粋です。

全てをこのレポートでご紹介することは出来ないのですが、

約2時間のトークショーの中で実に興味深い様々なテーマが語り合われました。

 

そしてイベント終了後には、

登壇者と参加者の交流会も行いました。

 

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ブラジルW杯開幕まで、いよいよあと1週間!

中山氏のこの発言のように(「このように大会が始まる前に、どこが勝つだろうとか、どんなサッカーするのだろうと予想するのもワールドカップの楽しみだと思う。」)あと1週間、あーだこーだ言い合うことこそ楽しみの一つでもあります。

 

明日土曜日には日本代表の最後のテストマッチであるザンビア戦も開催され、

いよいよ本番モードへ突入。

 

今回のイベントによって、

「ワールドカップがより楽しみになる」

そんな風に思えてもらっていることを願います。

 

なお、イベント終了後に行ったアンケートで日本代表チームの成績予想を現役大学生世代約30名に行ったところ次のような結果となりました。

 

優勝:5%

3位:5%

ベスト8:16%

ベスト16:50%

GL敗退:24%

 

意外と手堅い予想ですね。。

 

 

 


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山内 一樹

山内 一樹

Sports UX Designer
⁂スポーツ×ミレニアルズ ⁂ Jリーグを中心にBリーグや侍ジャパンのミレニアルズマーケティング(特にSNS戦略・デジタル戦略)のお手伝いが主なお仕事。 ご相談などはお気軽に各SNSからどうぞ!