欧州CL出場クラブのHPから読み解くサッカークラブHPのトレンド


 

先日、「Champions League of Website 2014 – 2015 」と題した大変興味深いデータが公開されました。

 

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これは、調査会社「デパルトメント・デ・インテルネット」が公開したもので、

CL出場32クラブの公式サイトに関する幾つかの項目をポイント化してランキングとしたものです。

この調査は4年連続で実施され、今年はドルトムントがトップに輝きました。

(ちなみに昨年度の1位はバイエルン。ドルトムントは前年29位からジャンプアップ)

 

評価される項目は下記の13項目です。

①website objective(9点満点) ②Friendly URL(5点満点) ③User Orientation(9点満点) ④Look & Feel(8点満点) ⑤Logo + Tagline(5点満点) ⑥Language and Writing(9点満点) ⑦Structure and Navigation(15点満点) ⑧Memory Overload(4点満点) ⑨Lay-Out(8点満点) ⑩Multimedia(4点満点) ⑪Responsive Design(8点満点) ⑫Quality / Frequency RRSS(8点満点) ⑬Buying Ticket(8点満点)

 

参考までに1位に輝いたドルトムントの各項目における評価点を見ていくと、

①9(/9) ②5(/5) ③9(/9) ④8(/8) ⑤5(/5) ⑥7(/9) ⑦15(/15) ⑧4(/4) ⑨8(/8) ⑩4(/4) ⑪8(/8) ⑫8(/8) ⑬6(/8) で合計96ポイント(100点満点中)でした。

⑦言語とライティング、⑬チケット購入の容易さ、の2つの項目で満点評価を得る事が出来なかったものの、

総じて高い評価となり過去最高得点となりました。

 

このように各クラブが13項目にわたり採点をされていくのですが、

昨年度から比較をして今年度特徴的だった点は、

・レスポンシブルwebデザインが圧倒的に増加したこと

・ドルトムントやレアルマドリーのように大幅に改善されたチームが見れたこと

・ソーシャルメディアの更なる活用が進んでいること(Twitter・Facebook・YouTube・Instagram・Google+は当たり前で各国ローカルSNSにも対応)

といったところでした。

 

首位に輝いたドルトムントの公式サイトはかなり動的に作られており、

従来の情報がストックされているだけのHPとは異なり、デザイン性に優れメディアとして楽しむ事が出来ます。

 

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勿論レスポンシブルデザインとなっており、

様々なデバイスでサイトを閲覧しても快適にブラウジング出来るようになっています。

 

 

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ただレポートでも指摘されているように、チケット購入のプロセスはやや複雑であり、デザインにも優れません。

もっともクラブからは「チケット販売ページをまもなくリニューアルする」とのアナウンスもあるので、

より完成されたウェブサイトに近づくのは時間の問題かもしれません。

 

逆に現状のサイトでチケットページが秀逸だと感じられるのはバルセロナの公式サイトです。

 

試しに21日にカンプノウで行われるアヤックス戦のチケット購入ページを訪れてみると、

 

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画面中央に何やら見慣れないスライダーがあります。

このスライダーはユーザーの予算を表すのですが、これが便利で面白い役割を果たすのです。

 

スライダーを左端の49€に設定すると、購入可能なゾーンはバックスタンド側のエリアに限られますが、

 

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90€まで予算をあげると、ゴール裏のゾーンが開放されました。

 

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もっと細かくみていくと、これだけの席種があることに気付かされます。

 

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予算から観戦したいゾーンを決めたならば後は座席の指定を行います。

 

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このように具体例な座席の指定までを全て直感的な操作で行うことが出来るようになっていました。

 

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クラブのHPが掲げるKPIには様々な指標があるでしょうが、

直接的にHPからマネタイズ出来るとすれば「チケット販売」「グッズ販売」「有料コンテンツ」などが挙げられ、

その中でも特に「チケット販売」はクラブの最重要収益源となるため、

HPからのコンバージョン率を高める施策は必須であり、

各クラブはかなり工夫をしている姿が見受けられました。

 

世界最先端の各クラブのHPを分析して感じたのは、

今後クラブのHPに求められる要素として、

・空き時間の度にアクセスしたくなるようなメディア的運用

・様々なデバイスに対応させるためのレスポンシブルデザイン

・シンプルかつリッチなチケット購入体験

といった点となるのでしょうか。

 

クラブHPが一種のメディアとして機能することで、メディアコマース的な側面を持ち、チケットやグッズの販売に繋げていく事が出来ると、デジタル領域でクラブが出来るビジネスの幅が広がる予感もあります。

クラブの情報に接触する媒体・キッカケを考えると、今後益々webの存在感が高まる事は必須であり、

各クラブのwebマーケティングの力量が問われる時代となってくるでしょう。

 

日本の各チームでも、

ご紹介したドルトムントやバルセロナなど、

クラブの規模は違えど、参考となる事は色々とありそうです。

 

★参考サイト

Champions League of Website 2014 – 2015 

http://www.championsleaguewebsites.com/2014/

 


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山内 一樹

山内 一樹

Sports UX Designer
⁂スポーツ×ミレニアルズ ⁂ Jリーグを中心にBリーグや侍ジャパンのミレニアルズマーケティング(特にSNS戦略・デジタル戦略)のお手伝いが主なお仕事。 ご相談などはお気軽に各SNSからどうぞ!