売上高700億円!世界一稼ぐサッカークラブはあのクラブ


 

監査法人デロイトによる恒例の「Football Money League」(以下、FML)の最新レポートが今年も発表されました。

気になる今年の売上高順位は次の通りです。

 

フットボールマネーリーグ2015.001

 

フットボールマネーリーグ2015.002

 

ご覧のように2013-2014シーズンの欧州各クラブの売上高ランキングを見ると、

レアルマドリードが売上高 €549m 、日本円にして約724億円(1ユーロ=132円換算)という数字でトップとなりました。

レアルは過去5年ともに売上高ランキングで首位に位置し、売上高も€439m⇒€480m⇒€513m⇒€519m⇒€550mと、順調に増収となっています。

 

€500mを超えたクラブは、レアルとマンチェスターユナイテッドの2クラブ。

€400mを超えたクラブは、バイエルン、バルセロナ、PSG、マンチェスターシティを加えた6クラブとなりました。

2014年度版FML(対象は2012-2013シーズン)では、€500m超えは1クラブ、€400m超えは4クラブのみでしたので、

各ビッグクラブの順調な成長が感じられます。

 

各データを細かく見ていくと面白い発見もあります。

FMLでは売上の内訳を、

①マッチデイ収入(入場料収入など)

②放映権収入 (国内リーグ及び欧州各大会の放映権など)

③スポンサー収入(スポンサー・MD収入など)

と3つに区分しています。

総収入の売上高ランキングは前述の通りとなりましたが、

各項目ごとにみていくと次の通りとなります。

 

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①マッチデイ収入

◇売上高順

1位:マンチェスター・ユナイテッド €129m(全売上の25%)

2位:アーセナル €119m(33%)

3位:バルセロナ €116m(24%)

 

◇チーム総売上における該当売上の比率順

1位:アーセナル 33%(€119m)

2位:ガラタサライ 29%(€47m)

3位:マンチェスター・ユナイテッド 25%(€129m)

 

②放映権収入

◇売上高順

1位:レアル・マドリード €204m(37%)

2位:バルセロナ €182m(38%)

3位:チェルシー €167m(43%

 

◇チーム総売上における該当売上の比率順

1位:エバートン 73%(€105m)

2位:ナポリ 65%(€107m)

3位:ニューキャッスル 60%(€93m)

 

③スポンサー収入

◇売上高順

1位:パリ・サンジェルマン €327(69%)

2位:バイエルン・ミュンヘン €291m(60%)

3位:レアル・マドリード €231m(42%)

 

◇チーム総売上における該当売上の比率順

1位:パリ・サンジェルマン 69%(€327)

2位:バイエルン・ミュンヘン 60%(€291m)

3位:シャルケ 49%(€104m)

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項目別順位を出してみると非常に興味深い結果となりました。

 

たとえばマッチデイ収入を見ると、

アーセナルがバルセロナやレアル・マドリードを上回っているのですが、

スペインの2チームに比べて平均入場者数が約10,000人も少ないアーセナルにおいて、

なぜこのような結果となったのでしょうか。

チケット価格の最適化という面ではもしかすると、アーセナルの戦略の方が優れているのかもしれません。

 

他にも、チーム毎の、各売上のチーム別全体売上における比率を見ると、

マッチデイ収入は最も高いアーセナルでも約33%だったのに対して、

放映権はエバートンが73%、スポンサーはPSGが69%と、

それぞれ売上の大部分が特定の売上源によって占められているクラブも数多く存在します。

 

また、平均入場者数が70,000人を超えているクラブは5クラブあり、

79,000人超の平均入場者数を誇るドルトムントが世界で一番サポーターが試合を見に来るクラブであることが分かったり、

Twitterのクラブ公式アカウントのフォロワー数は、レアルとバルサのスペイン2強が3位以下を大きく離して1,000万人規模を誇っていたりするなどのデータもFMLによりまとめて閲覧することが出来ます。

(※Twitterフォロワー数に関しては、各クラブ1アカウントのみの集計と思われます。つまり、バルセロナの場合は「@FCBarcelona」というアカウントが集計対象なのですが、日本語アカウント「@fcbarcelona_jap」など他言語公式アカウントを保有しているクラブもあり、単純比較は出来ない部分があることにご注意下さい。リバプールなどは17アカウントもありますし。。)

 

 

ちょっと規模が大きすぎてピンとこないというJリーグファンの方もいらっしゃると思いますので、

Jクラブで1番の売上規模を誇る浦和レッズを例に比較してみます。

 

最新の経営開示情報のある2013シーズンで見ると、

2013シーズンの浦和レッズは平均観客動員数「37,100人」でした。

FMLの中でこの数字に最も近い平均観客動員数を記録したのは「37,732人」という数字のエバートンでした。

このエバートンとレッズの売上を、それぞれの項目毎に円換算して出した値が次の表です。

(※Jクラブによる開示情報はFMLの各項目とは異なっています。今回は①マッチデイ収入の項目に「入場料収入」②放映権収入の項目に「Jリーグ分配金」③スポンサー収入の項目に「広告料収入」「グッズ収入」「その他収入」を振り分けました。「Jリーグ分配金」には放映権以外の権利料も含まれているとされていたりすることから厳密には数値は一致しませんので参考程度にご覧下さい。1ユーロ=132円換算です)

 

フットボールマネーリーグ2015.003

 

ご覧いただくと分かるように、

平均観客動員数が同程度の2クラブの売上は、約3倍近く違います。

ただ項目別売上を見ていくと、

実は放映権料以外の部分では、両クラブは同程度の売上を誇っているのです。

にも関わらず3倍の差が開いているのは、言わずもがな放映権料収入の差であり、

ここが、総売上の違いに圧倒的に寄与しています。

 

エバートンが高額の放映権料を手に出来る背景には、

プレミアリーグの放映権料が高騰しているという事情もあり、

それは国内向け権利販売のみならず、国外(特段アジア)向け権利販売が引き続き好調とのことから、

このように各クラブにも資金が回ってくるのです。

 

このようなデータ・事情を考慮すると、

2015シーズンより様々な形での進化を遂げようとしているJリーグの目指している方向も、

なんとなく分かってくるような気がします。

 

 

総売上700億円を越えるレアル・マドリード、

放映権料収入だけで100億円以上売上があり、それがクラブ総収入の70%超にあたるエバートンなど、

なかなか国内サッカーファンからすると想像もつかないような数字がずらっと並んだ今年のFMLですが、

深く読み込んでいくと、ヒントになりそうなことがまだまだ眠っていそうです。

 

 

「Football Money League 2015」

 


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山内 一樹
「ミレニアル世代の遊びの選択肢にスポーツを加える」ことを目指し、アクティビティとしてのスポーツの可能性を追求している。Jリーグ・Bリーグ・侍ジャパンといったコンテンツホルダーらとともに、主にSNSの活用を中心としたデジタルマーケティング施策の推進に従事するほか、渋谷区を起点に活動するサッカークラブ TOKYO CITY F.C. を立ち上げ、渋谷から新たなフットボール体験を産み出すための取り組みに挑戦中