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若者をスタジアムに呼びたければ若者の声を聞けば良い


 

※最初に断っておきますが、今回のエントリーはファクトやデータといったものよりも、目には見えない肌感覚のようなものを重要視して書きました。いつものエントリーと比較し、私見的なオピニオンの要素が強いですが、それらを加味した上で読んで頂けると幸いです。

 

THE SPORTS BUSINESS の記事にしては珍しくちょっと刺激的なタイトルになりましたが、Jリーグやプロ野球をはじめ、若年層をなかなかスタジアムに呼びこめず苦戦しているという話を至る所で聞きます。

各チームがどのように企画を生み出しているかは千差万別でしょうが、超肌感覚で盛り上がっているイベントを分析し、若年層を集客する上で重要となるポイントを整理してみました。

 

趣向を凝らした大相撲の取り組み

 

筆者も定期的に参加している「日本スポーツ産業学会」というスポーツビジネス系の学会があるのですが、先日このようなセミナーが開催され参加をしてきました。

 

 ▼第25回スポーツ産業学セミナー『どん底からの復活!~平成の大横綱・貴乃花が語る大相撲改革とは~』

https://www.spo-sun.gr.jp/event/1379

 

セミナーページにも注記があるよう取材規制があったため、そこで語られた内容について言及することは出来ないのですが、

既に報道されているとおり、今年開催された初場所・春場所はともに「15日間大入り」となり実に18年ぶりとなる大盛況の中、幕を閉じたと言います。

 

また、ニコニコ超会議への参加が話題となったり、「春巡業終了、本場所への効果期待 若者ファン目立つ(共同通信)」という記事が出たりと、

様々な情報が入りつつ、今回のセミナーでたまたま話を聞くことが出来たため、そろそろ大相撲観戦に出かけてみようかと思い、色々調べて見るとビックリ、

 

・貴乃花と2ショットが撮れる権利付きチケット

・横綱、大関が赤ちゃん抱っこしてくれるチケット

・朝稽古を観戦してから本場所を見るチケット

 

など、様々な非日常体験を出来る企画チケットが用意されていました。

それも、「思わずその体験を共有したくなる」ような。

 

 

思わずその体験を共有したくなるような非日常体験

 

この、「思わずその体験を共有したくなるような非日常体験」というのは、

今日のイベント、特にSNS世代である若年層を呼びたいイベントにとって極めて大切な要素となっています。

 

若年者に刺さっている「思わずその体験を共有したくなるような非日常体験」を出来る代表的なイベントを挙げると、

カラーラン」や「エレクトリックラン」など、『写真映え』のする(=思わずその体験を共有したくなる「ランイベント」や、

 

 

 

   
ウルトラジャパン」や「フジロック」など、『没入して非日常を味わう』ことの出来るような、「音楽フェス」があります。

 

   

 

 

筆者の前職がこうイベントが好きな人たちが沢山いる職場だったことや、まもなくシーズン開幕を迎えるTOKYO CITY FC のチームメートがこういうイベント好きが多いという友人関係が多分に影響していることは否定出来ないのですが、筆者の各SNSでタイムラインを彩るイベントは驚くほど似ています

 

注目すべきポイント は、これらの”イベントに参加をしてSNSを積極的に更新”するのは、どのイベントであっても同一人物であることが多く

必ずしも、元々スポーツや音楽が大好き!という人が、このようなランイベントや音楽フェスに行っている訳ではないというのも特徴的です。

SNSを積極的に更新し、SNSの友達500人に対して情報を伝達する力・SNSへの投稿により友人を動かす力、そういった特殊能力を持ったマイクロオピニオンリーダーとでも言えるような存在(俗に言うリア充と呼ばれる人たち?)が、情報を掴み、その体験をSNSを通じて共有していくと、一気に彼ら彼女らの周囲へと情報が広がっていく様をここ2,3年身近に実感してきました。

 

思わずその体験を共有したくなるような非日常体験」が出来るイベントに行った様子を、彼ら彼女らが自身のSNSに共有する背景には、

「いいねを貰いたい」という自己顕示欲のようなものではなく、そのようなネタを発信することでバーチャルの世界でもスマホ越し(PC越し)にも友達と繋がって会話出来るという、安心感というか、小難しいことではない単純な楽しさ、のようなものが強い気がします。

 

変化するシェア方法

 

featured

 

そのような行動パターンを生み出す大元の理由となっている様々なSNSですが、

Facebookでは、先日実施した開発者向けイベント「F8」の中でFacebookの未来像についてこのようなプレゼンテーションを行っていました。

 

 

★参考記事

Facebook、VRによる「体験の共有」へ。360度全天周動画の投稿が近々可能に(mogura VR)

Facebook F8カンファレンス、初日のまとめ(Tech Crunch)

 

ザッカーバーグさんのプレゼン動画や日本語記事を見るとわかりますが、

Facebook上ではこれまで「Sharing Experiences」の手法として、

テキスト」→「画像」→「動画」と、

主流が移り変わって来たそうです。(本当に最近はタイムラインに動画、それもYouTubeではなくFacebook埋め込みの動画が増えた気がします)、

 

そのような流れの中、次なるシェア方法は「VR・AR」によるものになっていくと考え、

360度動画のフィードへの埋め込み・Oculus(Facebookにより買収されています)等のHMDによる閲覧が可能になるよう順次アップデートを進めていくといいます。

 

主要SNSが体験を共有する手法として、VR・ARを積極的に用いるようになるとどうなるか?

まだまだ日本では端末の普及がされていないので分かりにくいですが、

間違いなくシェア出来る情報量が多くなり、

今まで以上に、自身がした体験を「better」に共有出来るようになるでしょう。

 

となれば、これまでしつこく述べてきたように、

思わずその体験を共有したくなる」かどうかが今後更に重要になり、

成功者と敗者の動員力の差が益々広がる未来が待っているかもしれません。

 

思わずその体験を共有したくなる」かどうかは当然今までも大事な要素であり、

リアルな場での口コミなど起こるようかねてから工夫されてきたかと思いますが、

今後はそのスピードも量も圧倒的に増し

スポーツは、するのも見るのも、「いかに共有したくなるような体験を用意出来るか」が成否を分ける重要なポイントとなってくるのは間違いないでしょう。(スポーツに限らないっちゃ限らないですけど)

 

 

体験をデザインする

 

fdv

 

VIPなスポーツ観戦体験を売るサービス「Fandeavor」には様々な体験が並びますし、

日本においても冒頭の大相撲をはじめ各業界、各チーム趣向を凝らした企画チケットが並びます。

 

▼ショッカー戦闘員トライアウトイベント付チケット(福岡ソフトバンクホークス)

http://www.softbankhawks.co.jp/news/detail/11845.html

▼5/6(水・振)千葉戦「東京ヴェルディ×肉フェス」コラボTシャツチケット発売のお知らせ(東京ヴェルディ)

http://www.verdy.co.jp/lancelot/cms/siteuser/newsdetail/user_id/f98c078b5e46cce02fd686fadbff9929/id/16ff8fe055a3605c71ae91d42cdff3d6

(…戦闘員トライアウトの内容は笑いましたw。「集団面接」に「忠誠度テスト」(正しい敬礼、Yeeee!の正しい発声などが試される可能性高し。)があるようで、合格すると、「新構成員としての集合写真撮影」「試合前グラウンドへ登場」(敵があらわれる可能性があります。ご注意ください。)があるらしいです。敵って??笑)

 

 

このような、「思わずその体験を共有したくなるような非日常体験」は何も突飛なことをやれ!というのではなく、

49ersの本拠地「Levi’s Stadium」が目指すようなスマートな観戦体験というのも当てはまるでしょうし、

とにかくマーケットインというかユーザー視点での体験設計UX設計が鍵を握ります。

そこには、デザインの要素やストーリー性など、また今までとは違ったポイントが重要視されてくるはずです。

 

そうなった際、重要になってくるのはターゲットの心理や行動などのリアルな声です。

肌感覚で分かるような人材がいなければ、ユーザーインタビューを行うなどして肌感覚を養うしかないでしょう。

 

これから先我々が向かおうとしている様々な体験を共有出来る世界において、

スポーツが持つ特性は親和性が非常に高く、スポーツにとって追い風が吹いているのは間違いありません。

だからこそ、歯がゆい思いがあるのも事実です。

スポーツが発展していくためには、「する人」「見る人」「支える人」様々な方法でスポーツに関わる人が増えていくことが不可欠です。

既存のファンを大切にするのは当然ですが、それと相反しない方法や手法で若年層ファンを取り込んでいくことは、きっと出来るはずであり、そのヒントが若者自身の声にきっと隠されているはずなのです。

 


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山内 一樹
「ミレニアル世代の遊びの選択肢にスポーツを加える」ことを目指し、アクティビティとしてのスポーツの可能性を追求している。Jリーグ・Bリーグ・侍ジャパンといったコンテンツホルダーらとともに、主にSNSの活用を中心としたデジタルマーケティング施策の推進に従事するほか、渋谷区を起点に活動するサッカークラブ TOKYO CITY F.C. を立ち上げ、渋谷から新たなフットボール体験を産み出すための取り組みに挑戦中